こんにちは。ぺいです。
今回は『時間の中の都市』の第3章を読んでみての 要約・まとめ を書きます。
備忘的な側面が強いです。
が、 本を章ごとに、短く、わかりやすく 説明できたらなと思ってますんで、
「なかなか本が、読めん。なげえ。おめぇ。つれぇ。」
という人はよかったら。
『時間の中の都市』は2010年に発行されたSD選書です。
いわずもがな、分野としては建築系。「都市計画・都市」の本です。
もくじ
前置きと免責
建築の本はなかなかに「難解」、ないし、そう見えますよね。
なんで「読もう読もう」とは思っても、読み切るのはなかなかにハードルが高い。
「小さな章の要約から入って、興味がわいたらもうちょい読んでみる」
てな感じで、暇つぶしだったり、興味の幅を広げるきっかけとして使ってもらえたらな、と思っての本のまとめ記事です。
僕が読んでみて何かしらためになったなと思ったものを書いていくんで、気楽に読んでもらえればなと思います。
※解釈違いがあるかもしれないことを前提にお願いします。
本の内容は直接引用も載せるようにしてるんで、そこから、興味・疑問などを拡げてもらえればなと思います。
「これちがくね」「これこうじゃね?」といったような指摘・意見はぜひとも。
時間の中の都市
まずは直接引用から。
環境を考えるには、歴史保存の問題から説き起こすのがふつうになっている。誰もが、環境についての重要な議論は、過去の保存と未来の制御に関係していると考えているにちがいない。しかし、それは間違っている。私たちは、現在という時間の中にある過去のシグナルを保存し、自分たちの未来のイメージを満足させるために現在をコントロールしている。私たちが抱いている過去と未来のイメージは、絶えず手直しを加えられて変化し続けている現在のイメージにほかならない。私たちの時間の意識の中枢をなしているのは「いま」の意識である。空間的環境は、現在の時間イメージを強化し、それを人間的なものにすることができる。すでに私は、この機能が空間的環境の最も重要な役割であることと、それでいながら最も軽んじられている役割の一つであることを指摘した。
ケヴィン・リンチ、『時間の中の都市』、(2010、鹿島出版社)、p92
都市の空間的環境を考えるうえで、「現在」を考えることが重要である【主張】都市計画のテーマ
まずは、この章での作者の主張です。
この章での主張は上に書いたように、都市の空間的環境を考えるうえで、「現在」を考えることは重要である、ということです。
「空間的環境」という言い方をしているのは、温熱環境などの「環境」と区別するためだと思われ。
引用文の中でも述べられていますが、環境を考えるときに、過去の保存や未来の制御に偏重しがちですが、
過去・未来はあくまで「現在」の中に成り立っているため、空間的環境を考えるうえで「現在」を考えることが重要だよね。という話です。
言われてみれば当然のような気もしちゃいますけど、確かに建築設計するときとかって「歴史の保存」・「未来の姿」など、過去・未来に偏重して考えてしまってるような気もします。
都市における空間的環境とは 【前提・根拠】
では、つづいて、その主張の前提となっている、作者の中の前提についてみていきます。
環境は、現在を生きているのだという意識と、人々と共通の現在を生きているのだという意識を私たちに与えてくれる。私たちは、この共通の現在の中に出来事の流れを感じ、自分たちの希望と不安を結びつける。
『時間の中の都市』、(2010、鹿島出版社)、p119
それを前提として、
生きているということは、現在の中で目覚めていることである。それは、私たちの生命の持続力を信頼すると同時に、次々にやってくる新しいものに用心深く対処することである。私たちは、自分自身のリズムを感じるとともに、そのリズムが大きな世界のリズムの一部であることを感じている。身近な時間と、身近な場所と、私たち自身とが確かなものであるとき、初めて挑戦、複雑性、広大な空間、はるかな未来に正面から立ち向かうことができる。
『時間の中の都市』、(2010、鹿島出版社)、p119
「身近な時間と、身近な場所」 ≒ 「現在」 が確かなものであるときはじめて、新しいものに立ち向かっていける、すなわち、生きることができる。
であるため、「現在」を確かなものとするような「環境」を考えることが重要である、ということです。
まとめ
都市の空間的環境を考えるうえで、「現在」を考えることが重要である。
理由として、「現在」が確かなものであるときはじめて新しいものに立ち向かっていく(生きる)ことができるから。
今回は『時間の中の都市』の第3章を読んでみての超軽い要約・まとめを書いてみました。
学習の幅を広げるきっかけだったり、暇つぶし程度に読んでもらえたらな、と思います。
ではまた。
建築 都市計画の本
都市計画関連に興味がわいたって人は是非。